神威異伝
「日向あいつは黒狼だ。ほら、白月村の宿のおっちゃんが言ってただろ?」
「あ、あぁそういえば……って本当にいたんだな」
十夜の説明で、なんとか落ち着いた日向。
そんな十夜達をよそに、暁が首を傾げる。
「なんでオレがお父に、おかえりって言わなきゃなの?」
『私は昨日の昼から、村に出かけていただろう?もう忘れたか』
「あ、そうだった。……お父!!おかえりなさいっ」
『ただいま、あかつ―……』
「ちょっ、ちょっと!!」
大きな声で、理緒が叫んだ。
突然の事に、もちろん理緒を除く三人と一匹(?)は目を点にする。
「んだよ?理緒、大きな声出して」
十夜がそう声をかけると、理緒が呟く。
「あたし達……重大な事、忘れてるわよ」
「重大な事ってなに?理緒ねーちゃん」
暁が聞くと、理緒が真剣な表情で暁に尋ねる。
「……ねぇ、暁。本当に、この人(?)があなたのお父さんなの?」