神威異伝
澪の後に続き、十夜達が辿り着いたのは……家と言うより洞窟だった。
荒々しく勢いのある水が流れ落ちてくる滝のすぐ側に、ぽっかりと空いた穴。
澪の言う“家”に入る前まで少し驚いていた十夜達だったが、いざ入ると中は広く、滝のすぐ側だからかひんやりと涼しい。
木で作られた扉で仕切られ、部屋がいくつかあるようだ。
十夜達は澪に言われ、出入口に近い一番広い部屋……広間に荷物を下ろした。
広間の中心には、石を積み重ねて作られた釜戸がある。
その釜戸を中心に十夜、理緒、日向、暁そして澪の五人は円陣を組む様にして、座布団に座った。
あぐらをかき、腕を組んでいた澪が口を開く。
『……さて、まずそちらの事を聞いても構わないか?』
日向が首を傾げる。
「あの、どうして俺らの事を聞くんですか?」
澪が視線を、あぐらでぼーっとしていた十夜……の左腕に向けた。
『十夜の左腕から、何かの力を感じるのだ。それもただの力ではない……禍々(まがまが)しい力をな』