ライアープリンセス~偽りのお姫様~
学園の経営は、決して楽ではなかった。
今この時代、以前のように寄付などは期待出来ない。
国からの援助で、何とか生活している状態だった。
昔は山のように届いたクリスマスプレゼントも、近年はここから旅立った子供達から、小さなケーキがいくつか届くだけ。
鍵が壊れた裏口も、直せないでいる。
でも差し出す私のお給料を受け取らない園長先生。
「自分で働いて頂いたお金を私達が使うわけにはいかないよ。」
嬉しい気遣い。
文房具やおやつ、新しい靴。
子供は達に出来るだけのことをしてきたつもりだった。
それが唯一の私に出来る、恩返し。
私の人生を売ってしまった、て思えばいい。
それが私をここまで育ててくれた学園長への最高の親孝行になるはず。
もう、迷わない。