幼なじみは先生
「え?今何て…」
ガラッ…
『聞いてねぇぞ。映画なんて…』
委員の子がいっくんの腕をグイグイと引っ張って入って来た
数秒間、いっくんと目があった
けどいっくんは瞳を反らしてその数秒間は呆気なく終わった
ズキンと胸が痛む
反らすなんて卑怯だ…
おかげで胸が痛む
反らすならあたしがしたかった
それなら、悲しむことはなかったかもしれないから…
「お!きたきた!さ、挨拶をどーぞ」
挨拶…なんて。
いや!頑張らないと!
ときめかなければいい話だ!
「よ、ろしくお願いしますっ」
『おう、よろしくな』
あれ?
今、普通に会話したよね
気まずい…なんて思ってたのあたしだけ‥か。
けど、何で瞳を反らしたの…?
「はぁい!ということでこれが台本です先生。この通り台詞を言えばいいだけですから」
そう言って笑みを浮かべる委員の子