放浪者の恋-single planet-

4.

「でも、すごいね、パーティーと飛行機で、二度の偶然の出会い!なんてー。」

「そうだね。びっくりしたけど。」

「その前はどこで会ったの?」

「友達の結婚式の二次会。その前はー、知り合いのカフェで。そのとき紹介してもらったんじゃないかな。」

「縁が、あるんじゃなーい??」
ポテトフライをつまみながら、親友は相槌をうつ。

「わたしらの歳になるとさあ、仕事仲間か、紹介かーー。あっ、あと婚活?お見合いパーティー?くらいしか、ないもんね。出会い。」

そう言うみさとは、同棲中の彼氏と、もうすぐ結婚するらしい。

「でもさー、何歳だっけ?50?」
「そう」

「へえーー!やっぱ男って得だよね。いくつになっても、若い子とつきあえて。まあ、仕事柄、もあるだろうけどね。」

「女だって、50とかで、若い子とつきあったり、できないのかなあ」

「女は、無理じゃない?だって、肌とかさ、コンプレックスの部分が増えちゃって惨めになりそうだもの」


そのとき急に、これ観たほうがいいよ、と彼に言われた映画のことを思いだした。
「ね、みさと。今からちょっと、映画観にいかない?」


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