あたしの執事
さすが如月の元彼女。強引で自分勝手なところはそっくりだ…


「あ…言い忘れてたことが1つあったわ」


再び座りなおした梓さん。あたしは、ただただその身勝手さに、目を細める。


「玲はあなたにつきたくて、この仕事を始めたそうよ」

「…え…?」

「あなたは何か別の勘違いをしているようね。でもそれは、誤ってるの。間違っているわ」

「…」


この人は、何が、言いたいのだろうか…


「玲も玲で、結構沈んでたわよ。アナタに変な誤解をさせただけなのにね」


如月が沈む?まさか…


まるで天と地がひっくり返るぐらいに驚いたあたし。

だが、それぐらいに勢いのある言葉を、今、思い切りぶつけられてるような感覚になった。


「玲は家柄いいってだけで苦労してるのよ。余計なレッテルを張られてね。私は、それを受け止めることが出来なかったの」

「だから…別れたと…」
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