Tales of Love
「美里…生きろよ」

「え?」

テルは持てる力を振り絞り美里を前方へととばした。美里が柱を通りすぎたその次の瞬間、柱は崩れさり二人の間を遮った。

「テル君?テル君!?」

「美里行くんだ、早くしないと逃げられなくなる」

「嫌!約束したじゃない、戻ったら話ししようねって」

「わかってる、俺は大丈夫だ、だから早く!」

「でも…」

その時人の声がした。救急隊員がようやく到着して救助に来たのだ。

「小野美里さんですね?救急の者です。さあ早く非難しましょう」

「でも、まだテル君が、まだ一人あの向こうにいるんです」

救急隊員は崩れ去った柱の向こうにいるテルを発見した。少年はまるで自分のことはいいからその女の子を助けてあげてくれというような眼をしている。実際あの状況で少年を助けるのは不可能だった。

「彼は私たちがなんとかします。だから行きましょう」

救急隊員におぶられて美里は連れていかれる。

「テル君、テル君!!」

「美里…お前は俺が守るから!…最後まで諦めない心が不可能を可能にする、信じる力が勇気になる」

「私…テル君が…!」

その続きを言う前にテルの姿は炎に包まれ見えなくなった。

「テル君、テル君、テル君!!!」
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