Bloody Kiss
「もう気付いてるんだろう?」

青年は笑顔のまま答えた。ただ、目だけは笑っていない。

「……吸血鬼の血を飲んだ、人間」

信じたくない。
アレが元人間だなんて……。

「じゃあ、今まで討伐してきたバケモノは……?獣の形をしていたバケモノも、元は人間だったっていうの?」

声が震えていた。

真相を知るのが怖い。
私が今まで葬ってきたバケモノは……。

「そうだ」

青年はあっさりと肯定した。途端に深い罪悪感に襲われる。

私は今まで、何体のバケモノに銃弾を打ち込んだ?
何体のバケモノを葬った?

何人の元人間を殺した?

「バケモノと呼ばれるモノは全て人間だったモノだ。バケモノこそが吸血鬼の血を喰らった人間の末路。元人間の吸血鬼は全てバケモノに堕ちる。どんなに抗おうとその運命からは逃げられない」

私の心境の変化を知ってか知らずか、青年は更に付け加えた。

逃げられない運命。
変えようのない最悪の末路。

それは誰のことを言っているの?

処理しきれないほどの思考や感情が止め処なく溢れてきて、胸の中がぐるぐると渦巻いている。


恢もいつかは、バケモノになっちゃうの……?


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