Bloody Kiss
こんな場所で「会いたいか?」なんて聞く時点で気付くべきだったのかもしれない。

恢に連れられ、ついにエリィとの対面を果たしたのだが、私は目の前の光景に戸惑っていた。

「これって……」

目の前にある墓標にはエリィのものと思われる名前が刻まれている。それが意味することは……。

「ここにエリィは眠っている」

そう、エリィは亡くなっていたのだ。
道理で何も言わないわけだ。恋人が他の女と居たとしても、文句なんて言いようがない。

大切な人を失って、恢は今までどんな気持ちで私と一緒にいたの……?

私は両親を失ってから、恢に縋ることでその穴を埋めようとした。恢にとって、私はそんな存在になれているのだろうか。

愛しそうに墓を見つめる恢の手を握った。

「ごめん、私、知らなくて……」

「俺が話さなかったんだ。お前が謝ることじゃない」

そう言って繋いだ手を握り返してくれる。冷たい掌に私の体温が伝わっていく。熱と一緒に私の想いも伝わればいいのに。

私はエリィが消えた穴を埋めてあげられてる?

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