Bloody Kiss
墓標に彫られた二人の名前を確かめるように触れる。鋭く強固となった爪でその最後にある少女の名前を書き加える。
何も知らない、人間だった頃の私の名前。
二年前、彼女も一緒に死んだのだ。
もうその名を使うことはない。
「さようなら、アリアンロッド・セイシェル」
新たに書き加えた少女の名に別れを告げる。
これからはアリアとして吸血鬼の世界で生きていく。これはその決意みたいなもの。
「時間をくれてありがとう。これで彼のもとへ行ける」
もう迷わない。
恢への思いも、人間だった自分も全てここに置いていく。
私は吸血鬼の姫・アリア。
心、体、命、私の持てる全てはたった一人の王子のもの。
「参りましょう」
「うん」
リートから差し出された手を取る。
流れるように抱えられたと思った瞬間にはもう空中にいた。そのままある程度の距離を飛んでいく。
ふわりと着地したかと思うとあっという間に降ろされた。
「ここからは世界鉄道を使いましょう。王都までは二日といったところでしょうか」
そう言われて周りを見渡してみると、世界鉄道の駅の前のようで、一応気を使ったのか目立たない路地に降り立ったようだ。建物や掲げられた駅名などに見覚えはなく知らない場所だが、人通りが多く大きな駅なのだろう。
「こちらへ」
言われるがままリートのあとをついていく。日陰だった場所から出ると、日傘で遮られていても眩しい。
リートは日差しに対する嫌悪感を出していないけど、いつかこの眩しさに慣れる時が来るのだろうか。
リートの案内で駅構内へ入り、停車していた列車へ乗り込んだ。
何も知らない、人間だった頃の私の名前。
二年前、彼女も一緒に死んだのだ。
もうその名を使うことはない。
「さようなら、アリアンロッド・セイシェル」
新たに書き加えた少女の名に別れを告げる。
これからはアリアとして吸血鬼の世界で生きていく。これはその決意みたいなもの。
「時間をくれてありがとう。これで彼のもとへ行ける」
もう迷わない。
恢への思いも、人間だった自分も全てここに置いていく。
私は吸血鬼の姫・アリア。
心、体、命、私の持てる全てはたった一人の王子のもの。
「参りましょう」
「うん」
リートから差し出された手を取る。
流れるように抱えられたと思った瞬間にはもう空中にいた。そのままある程度の距離を飛んでいく。
ふわりと着地したかと思うとあっという間に降ろされた。
「ここからは世界鉄道を使いましょう。王都までは二日といったところでしょうか」
そう言われて周りを見渡してみると、世界鉄道の駅の前のようで、一応気を使ったのか目立たない路地に降り立ったようだ。建物や掲げられた駅名などに見覚えはなく知らない場所だが、人通りが多く大きな駅なのだろう。
「こちらへ」
言われるがままリートのあとをついていく。日陰だった場所から出ると、日傘で遮られていても眩しい。
リートは日差しに対する嫌悪感を出していないけど、いつかこの眩しさに慣れる時が来るのだろうか。
リートの案内で駅構内へ入り、停車していた列車へ乗り込んだ。