拝啓、ばあちゃん【短編】
「もうすぐおばあちゃんの七回忌やから。今年は日曜日やし、あんたもいい加減顔出したら?」
母さんは俺から目を反らし、吸っていた煙草を灰皿に押し付けた。
突然の言葉と、それを聞いて固まる俺。
ばあちゃんの七回忌。
もうあれから6年も経つのか…
少し間を置いて、「考えとく」とだけ返事をした俺は、ちょうどやって来た店員にアイスコーヒーを注文する。
母さんの言いたい事は、十分に分かった。
いい加減に…、まさにその通りだった。
「ところであんた、今日は仕事まで時間あるん?」
俺の気持ちが分かったであろう母さんは、それ以上何も言わず、話題を変えるべく尋ねる。
「今日は何もないで」
「そっか、ほな晩御飯でも食べに行こうや。お腹減ってるねん」
母さんのグラスにチラリと目をやると、指一本分くらいのアイスコーヒーは、溶けた氷で薄まっている。
俺は店員の持ってきたアイスコーヒーを、一気に喉に流し込んだ。
「たまには親孝行するわ」
そう言った俺に、母さんはまんざらでもない顔で、フフっと笑っていた。
母さんは俺から目を反らし、吸っていた煙草を灰皿に押し付けた。
突然の言葉と、それを聞いて固まる俺。
ばあちゃんの七回忌。
もうあれから6年も経つのか…
少し間を置いて、「考えとく」とだけ返事をした俺は、ちょうどやって来た店員にアイスコーヒーを注文する。
母さんの言いたい事は、十分に分かった。
いい加減に…、まさにその通りだった。
「ところであんた、今日は仕事まで時間あるん?」
俺の気持ちが分かったであろう母さんは、それ以上何も言わず、話題を変えるべく尋ねる。
「今日は何もないで」
「そっか、ほな晩御飯でも食べに行こうや。お腹減ってるねん」
母さんのグラスにチラリと目をやると、指一本分くらいのアイスコーヒーは、溶けた氷で薄まっている。
俺は店員の持ってきたアイスコーヒーを、一気に喉に流し込んだ。
「たまには親孝行するわ」
そう言った俺に、母さんはまんざらでもない顔で、フフっと笑っていた。