紺色の海、緋色の空
それからシロナは、まるで頭の中でないまぜになった何かを整理するかのように、ゆっくりと僕に質問を始めた。

「あなた達は双子の兄弟だった」

「ああ」

「そして愛し合っていた」

「そうだね」

僕は一抹のわだかまりを胸に、シロナに頷いて見せた。

正直、僕には分からなかった。

あれが本当の愛情だったのか、それとも別の何かだったのか。

ただ少なくとも、あの時の僕はそう思っていたし、それは早紀だって同じ気持ちだったと信じていた。

もちろん、早紀の本当の気持ちは分からない。彼女が他界した今、それを知るすべは僕にはない。

「……でもある日、あなたたちは見つかってしまった」

シロナは続けた。

僕は黙って煙草の煙を吐き出した。

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