【奏】ミントチョコレート
私が降りる駅を通過して

岩瀬君のアパートがある駅に降り立った。


私が見たいと思ってた映画のDVDを、岩瀬君が持ってるから
貸して貰う事になったんだ。



岩瀬君のアパートは

ちょっと広めの1Rにも関わらず

床には縦に山積みされた本や雑誌

無造作にCDやDVDが散乱してて


普段なクールな感じから

綺麗好きそうだと思い込んでて

意外だなぁって感じた。


「ちょっと…待ってて」


そう言うと岩瀬君は無造作にパパッと片付けて

「どうぞ」


部屋に招き入れてくれた。


床にそのまま座る私に

差し出されたのは

ちょっと甘そうなミルクたっぷりなカフェオレで

目を丸くして
岩瀬君を見れば、岩瀬君も同じ物を持ってて…


「あっ…甘いの苦手?」


「ううん…好き

ありがとう」


ホッとした表情を浮かべ

カップに口をつけ飲む様を見つめてると


「…どした?」


その声に我に返った。


「…ブラック派なのかと」


「あぁ…まぁブラックも飲むし
気分による」


「…へぇ」


呟きカフェオレを口に運んだ。

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