俺だけの愛しい妹
「妹の結菜ちゃんと、ほんと仲いいんだね」
気安く名前を呼ぶな。
そう言いたいが、我慢し
「だろ?」
なんて笑ってみせた。
「まぁ、可愛いからなぁ」
その言葉に高ぶる感情を抑え、笑顔だけ向ける。
俺以外可愛いなんて言わせない。
俺の妹
俺だけの妹
俺だけしか愛しちゃいけない。
「手、出すなよ」
結構本気な声で言ったのに、龍平は笑って
「わかってるって」
と言った。
冗談じゃないぞ。
本当にわかっているのか。
疑問を全てぶつけてしまいたい。
「お前、モテるんだからさ、彼女つくれよ」
俺の肩に手を乗せながら龍平は言った。
彼女?
そんなもの、俺に必要ない。
俺には結菜だけがいればいいんだ。
結菜以外、俺には必要ない。