俺だけの愛しい妹
「別にいい」
素気なく、しかし優しく答えた。
「んだよー。合コンとかしねーの?」
そんな暇あったら結菜との時間を過ごす。
無駄な時間は使ってられない。
「しないよ」
「バカだねぇ」
バカはどっちだ。
龍平のありとあらゆる言動に、心の中で突っ込んだ。
学校に入ると、数人の女子が周りに集まってくる。
「拓哉君ってさ、好きな人いないの?」
その質問の答えは決まっている。
妹の結菜。
そんなことも言えるわけもなく。
「いないよ」
この言葉になぜか興奮する女子共。
「じゃぁさ、じゃぁさ。あたしを彼女にして!」
は?
バカかこいつは。
「ごめんね。俺誰とも付き合わないんだ」
女子の台詞が、結菜からのもだったら、即OKしている。