教えて、先生
先生の言葉にビックリして振り返ると、至近距離から見下ろしていた先生と目があった。
扉を背にして私はこれ以上さがる事もできず俯いた。
そんな私の前に立つ先生は、私を囲むように扉に手をついたまま立っている。
「華さあ。今日、いつもと違うな。」
「お、同じですよ?」
ひぇっ。
動揺して声が裏返った。
男の人に免疫がない私は先生にドキドキしてる。
正直、こういうのに慣れてないから。
男の人との、この距離にもシチュエーションにも。
お父さんでさえこんな距離で滅多に喋らないし。
先生は、手を伸ばして私の髪を掬う。
いつもなら三つ編みの私の髪は、朱里がコテで巻いた髪のまま。
あ、三つ編みするの忘れてる。
先生に呼ばれてたからそのまま来ちゃった。
「この髪型…。俺に見せるため?」
「なっ、違っ!!
これは、勝手に朱里がっ」
「いいね、その髪型。華に似合ってる。」
突然の先生の甘い言葉に胸が高鳴った。