天使的恋愛論
「に、人間の研究って…じ、人体実験…とか?」
「いや、だから表情とか感情の観察。」
「ご、自分の、綺麗な顔を鏡で見てみては…?」
あはは、と笑いながら、彼女は俺の肩を叩いた。
それじゃ、意味が無い。
「作間じゃなきゃ、駄目なんだよ。」
「――っ!」
そう言うと、彼女は顔を真っ赤にして固まってしまった。
あ、また面白い反応。
空は、もう結構暗くなっている。それを理解してか、作間は俺の腕を握って言った。
「と、取り敢えず…詳しくは、ハウスで…。」
「なんでそこだけ英語なの」
思わず、「ククッ」声を出して俺が笑うと、彼女は顔を真っ赤にして「気分!」と叫ぶように言った。
ホント面白い。これ、なんて言うんだっけ、「ツボ」?
腕を引かれて、俺が連れていかれたのは、作間の部屋だった。
ご丁寧にクッションを渡されたので、俺はそれを抱きしめてみた。
うん、なかなかの抱き心地。
作間は、机を挟んだ俺の反対側で、なにやら落ち着かない様子だった。
「しょ、詳細をプリーズ…。」
作間は、英語が得意なんだろう。俺は敢えてそこには触れず、口を開いた。
「簡単に言えば、宿題みたいなもんなんだ。」
「……宿題?」