天使的恋愛論
なんだそりゃ、とでも言いたそうに、彼女は眉を寄せた。
「人間の、表情や感情の豊かさって、俺たちにとってはすごく興味深いものなんだよ。」
「――へ、へ?」
「だから、近くで観察するために、少しずつ下界に派遣されてるんだよ、俺たち。」
作間は、相変わらず意味がわからないらしく、頭上に「?」マークを浮かべている。
そしてゆっくり口を開いた。
「げ、下界ってどこ?お、俺たちって誰?」
「……あ、ごめん。言い忘れてた。」
重大なことを言い忘れていたことに気付き、俺は思わず苦笑いを浮かべた。
作間は、「へ?」と首を傾げている。
あ、なんだこれ。なんか緊張する。
受け入れてくれるか、まだわからないからだろうか。
でも、作間ならきっと、面白い反応を見せてくれると思った。
「俺、天使なんだ。」
俺がそう言った瞬間、彼女はカチッと固まった。
暫く沈黙が続いた後、彼女は「くしゅんっ」とくしゃみをした。
「――作間?大丈夫?」
「う、あ――うん。」
えへへ、と笑いながら、彼女は頭を撫でる。
そして自分で頬を摘んで眉を寄せた。
「い、痛い…ゆ、夢じゃない…?」
「ゆ、夢?」
「あ、天祢くん、げ、現実?」
「うん?」
「う、うそ…。」