2つの世界
†麻莉†

優花と話したことが胸につっかかったまま、仕事をする。

「おー、桜じゃん。」
「弘輝。偶然だね。」

弘輝とは、今付き合ってる…事にされた人。

弘輝はそう思ってるらしいけど、あたしは付き合ってると思ってない。

それでも、仲良くしてる。どこまでも最低だね。あたしは。

「そーいえば、今日は夏目波留もいたよな。」
「え…波留さんも?」
「桜の先輩じゃん。そんなに嫌なヤツなんだ?」
「うん。まぁ。」

波留さんは、最近悠斗を連れて歩いてるらしい。

話題にしたいんだろうけど、誰も食いつかない。

今日は…悠斗も来るのかな…。

「…ら?桜?」
「あ、ごめん。何?」
「だから今、夏目さん来たんだけどあの男誰か知ってる?」

弘輝が言う『あの男』は、当然悠斗。

事情も知らないで、悠斗の事を聞く弘輝が腹立つ。

「知らない。でも、彼氏が出来たのは知ってる。…1年前から…。」
「へぇー。じゃぁ、彼氏かな。」

その時、悠斗がこっちを見た。

あたしと弘輝が話してるのを、ずっと見てる。

見ないでよ…。

弘輝と話してるんだから…悠斗の事、考えさせないでよ…。
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