2つの世界
「あれ、夏目さんの彼氏?がこっち見てねぇ?」

悠斗の視線に気づく、弘輝。

「場所、変えよっか。」
「え?あぁ。」

若干不思議そうな顔をしたものの、場所を変えて話すことに。

見えなくなるまで、悠斗を見ながら…。

悠斗と別れただけで…。

「桜?大丈夫か?なんかボーッとしてんな。」
「大丈夫だよ!!」

心配かけちゃった…。

でも…悠斗を忘れられれば…弘輝を好きになれば。

辛い思いはしなくてすむかな…。

「ねぇ、弘輝。」
「ん?なに、いきなり。改まって。」
「あたしの事、本気で好きなの?」
「んなっ…。直球だな。好きだよ。」

真剣な顔になって弘輝がそう言った。

「じゃぁ、キスしてよ。」

こんな言葉…。言っていいわけない。

だって…

「桜。お前の心の中には誰かいるよな。忘れられないヤツが。」
「え…。」

バレてる?まぁ、顔に出やすいとはよく言われるけど。

「それなのに、俺にキスしてとか。俺はいいけど、お前が傷つくんじゃねーの?」

弘輝は…優しいね。

あたしの中に、まだ悠斗の存在があるのを知ってるのに…

だから、あたしからキスしてって言われるのは辛かったと思うのに…

まだあたしの心配をしてくれる。
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