2つの世界
「波留さん。」

電話を切ったところで、話しかけた。

「あれー?今学校じゃないの?」
「早退しました。」

波留さんは、さすがに焦ったような顔を一瞬だけした。

でもすぐに、いつもの顔に戻った。

「アハハ。あたしに会いに?」
「…麻莉に会いに。」

波留さんは、真顔になった。

「学校…。休んでるの?」
「波留さんが一番知ってるじゃないですか。」
「…知らないわよ。」
「今の電話、聞いてたって言ってもまだそう言いますか?」
「…。」

ついに黙り込んだ。

「そうよ。あたしが閉じ込めたの。薬で眠らせてね♪」
「なっ…。誰がいるんですか?麻莉を閉じ込めた場所に…。」

波留さんは、あのムカつく笑顔を見せる。

「桃谷桜に振られた男ども。大丈夫、メイクはしといたから♪」
「そんなことより、どこだよ!!麻莉は!?」
「教えるわけないでしょー?」

ムカつく…。なんで平気でこんなこと出来んだよ…。この人は…。

「事務所内にいますか?」
「だからぁ。教えないって。」

こうなったら…。

「もういいです。自分で探してくる…。」

そう言って、走り出した。

波留さんは、ムカつく笑顔をまた浮かべてた。
< 80 / 90 >

この作品をシェア

pagetop