ケンカ上等☆不良校上々↑↑
素直にお礼を告げると、いつも通り見えたえくぼ。
うん、この笑顔は可愛い。
そんなふうに思ってたら、乱れた長めの前髪を掻き上げて、すぐ目の前まで歩いてくる。
いや、正しくは、さっき近くに来たのにもっと距離が縮まったっていうか………
「へ?」
不意に太陽の両手が伸びてきて。
「───っ!」
次の瞬間、そのまま抱き寄せられた。
突然の出来事に、あたしは何度も瞬きを繰り返すだけで。
「あの……」
どうすればいいのか、わからない。
わからないのが、普通だよね?
「ちょ〜心配したんだよ〜。
何もなくて良かった〜」
知ってるよ。
心配してくれたのは、すごく嬉しいし。
「ちょっと……」
だけど、この状況は一体?
「太陽、苦しい」
ダメだよ。
ヤバいって。
押し返そうとすると、ますますぎゅっと力を込められた。
端から見たら浮気現場だよ、コレ。
あたし、浮気相手?
違うよ?
違うからね、芽咲。