ケンカ上等☆不良校上々↑↑
「っ!」
指輪に気を取られていると、仁の左手があたしの右手に絡むように重なって。
「やめっ」
強い力が、引っ込めようとしたあたしの手を逃がしてくれない。
「この状況で、俺が何もしないとでも思ったのか?」
「うっ」
そんなこと、まったくもって思ってない。
仁に捕まったら、無事かどうかだって危ういのに。
「おまえは隙がありすぎる」
隙なんてないはずだと信じたいけれど。
「離れてよ」
ちょっとでも油断した自分に大きな後悔。
「離れてなんて言われて、離れるヤツがいるわけないだろ」
「そりゃそーだけど!」
どうして、あたしなの?
「みくる、仁せんぱ───っ!?」
必死の抵抗を試みたところで、いきなり部屋の扉が開いたと思ったら。
「歩夢っ!」
まさかのお客様が。
これはヤバい。
かなりヤバい。
絶対変な誤解される。