Memories - 年の差恋愛 -
誰にでもある「恋愛経験」だから。

私だって、過去に好きな人が居たことだってあるわけだし。

「ありがとう」

飛田さんが私に向けて手を伸ばしてきたその瞬間、飛田さんの携帯が鳴った。

「ごめん、音消すの忘れた」

あまり聞かない着信音。

それは仕事中はもちろん音なんて出していないし、私と居る時もマナーモードになっているのと、めったに電話がかかってこないから。

そういえば、メールをチェックしている姿もあまり見かけないかも。

とっさにお店を見渡すと、少し前まで近くにいたほかのお客さんもいつの間にか居なくなっていて。

近くには誰もほかのお客さんが居ない状態。

「悪い、出てもいいか?」

「え、はい、どうぞ?」

慌てて電話を取り出した飛田さんは、座ったまま小さな声で電話に出た。

うん、この声の大きさなら、お店の中に響き渡ることもないよね。

さっき、私と会話していた時の方がよっぽど大きい声だったかも。
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