Memories - 年の差恋愛 -
「…あっ」

我慢していても漏れてしまう自分の声に恥ずかしさが増すけど。

もっと触れてほしい。飛田さんに。

たっぷりと時間をかけて愛されて一つになって。

最後の瞬間を一緒に迎え、裸のまま抱き合っていると、このまま時間が止まればいいとさえ思う。

それくらい、幸せ。

ずっとこうして抱き合っていたいと思いつつも、明日のことを考えるとそうもいかなくて。

ソファの近くに脱ぎ捨てられた洋服を拾って着替えた。

しばらくソファに座ったまま二人でくっついたまま手をつないでぼーっとして。

こんな何でもない時間がすごく幸せに感じる。

「お茶、持ってきますね」

冷蔵庫からペットボトルを取り出し、二人分グラスに入れると再びソファへ。

気がつくと飛田さんは誰かと電話をしていて、そういえば冷蔵庫を開けたときに着信音が聞こえたような気がする。

テーブルにグラスを置いて邪魔にならないようにお手洗いへ行き、用を済ませてからそっと音をたてないように戻るとまだ電話をしている最中だった。
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