Memories - 年の差恋愛 -
涙も枯れてしまったのか、いつの間にか溢れていた涙も止まっていて。

少し落ち着いた自分に気がついてから顔を上げると、寂しそうな顔をした飛田さんと目があって。

ずっと、そこにいてくれたんだ。

「飲み物を取ってくるね」

いつもと変わらないやさしい口調でそういうと、部屋を出て行った飛田さん。

彼の出て行ったほうを見ながら、ベッドのふちに座りなおして顔を触ると、なんだかざらざらしていて。

泣き疲れてしまったけど、顔を洗いたいかも…。

なんだかすごく気まずいのと、もやもやとしたままの心とですっきりしないけど。

寝室を出て洗面所を借りて鏡の中の自分の顔を見ると、泣きはらしたひどい顔をしていて。

顔を洗って少しだけすっきりした状態でリビングへ行くと、温かいココアを入れた飛田さんが待っていてくれた。

「甘いもの、飲みたくない?」

マグカップを私に手渡してから近くにあったタオルをくれて。

「中に氷を入れておいたから、目元を冷やすといいよ」

「…ありがとうございます」
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