芋女



照り輝く太陽から目をそらして、あたしは言った。


「今日は鳥おらんね…」

「カモメ?最近お父さんも言っとったなー」



希帆の父は漁師だ。


あたしはいぶかしげに空を見上げた。

こんな良い天気なのに…


カモメがいないこの日、それだけなのに、

何か悪いことが起きる気がした。



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