ネオン

シルバーのスーツ。
シャネルのブローチ。
金のメッシュに長い襟足。
ヴィトンの鞄。

高い鼻には青いピアスが刺さっている。

多分・・・ホスト。

片手で電話をしている。



「ほんとごめんね!痛かった?」


「ああ・・・はい・・・大丈夫です・・・。」


「あ、じゃあー、ごめん。今から、行くから。うん・・・急ぐよ。

・・・あ、で、まじ怪我ない?!」


「多分。」

「そっか、ごめんねまじ!」


そういうとそのホストはあたしが乗ろうとしたタクシーに乗り込んだ。


「ちょっと、あっ!」


あたしが喋ろうとする前にドアはバタン。としまり、タクシーは走り出した。


「ありえない!!」


あたしは大声を出した。


最低。

ってか、なんでタメ口なんだよ。


糞ホスト。


常識のない奴。




肩をパンパンと叩いてあたしは別のタクシーに乗った。
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