准教授 高野先生のこと

高野先生と森岡先生が同窓で同期でマブ？だなんて。

そんなことは今初めて知った。


「なーんだぁ。オレに会いに来てくれたわけじゃなかったんだ」

「すみません」

「謝られると余計にみじめになっちゃうなぁ」

「えっと……ごめんなさい」

「あーあー、可愛そうなオレ」

「こらこら。鈴木さんをあまり虐めるなよ、森岡」

こんな風に二人が軽口を叩く場面を見るなんて、なんか新鮮。


「そうだ！」

森岡先生が“ひらめいた！”と言わんばかりにポンと一つ手を叩く。

「高野さぁ、ちょっと鈴木さんの勉強みてやってよ」

「みるって？」

「彼女さ、理論とか少し弱くてさ」

「おまえの学生さんだろ？」

「だって高野のほうが得意じゃんよ、昔からさ」

なんだか私を取り残して、二人だけで話はどんどん進んでいくのだけど……。