准教授 高野先生のこと

私の視線がよほど痛く刺さったのだろうか?

「退屈だよね。僕が着替えるの見とく?」

先生は冗談半分にからかうように笑った。

「いいんですか?見てても」

ここで怯んではいけない。

我ながらホントおかしな意地の張り方……。


「どうぞ。たいして面白くもないでしょうけど、ご自由に」

ちょっと挑発的……。


ぜんぜん平気で余裕綽々の先生。

本当はちっとも平気じゃない私。


先生の前ではもう私は地団駄を踏むしかなかった、心の中で。



< 224 / 462 >

この作品をシェア

pagetop