准教授 高野先生のこと
私の視線がよほど痛く刺さったのだろうか?
「退屈だよね。僕が着替えるの見とく?」
先生は冗談半分にからかうように笑った。
「いいんですか?見てても」
ここで怯んではいけない。
我ながらホントおかしな意地の張り方……。
「どうぞ。たいして面白くもないでしょうけど、ご自由に」
ちょっと挑発的……。
ぜんぜん平気で余裕綽々の先生。
本当はちっとも平気じゃない私。
先生の前ではもう私は地団駄を踏むしかなかった、心の中で。