准教授 高野先生のこと
唇を離すと私は即座に先生の胸に顔を埋めた。
頭の上で、先生の優しく労わるような声がする。
「大丈夫?」
「腰、砕けそうです……」
脱力って感じで、もう今にもへなへなとしゃがみこんでしまいそう。
「ちょっと抜けるくらいで、砕けるということはないでしょう」
先生はご丁寧に、そんなありがたーい指摘をしつつ私の頭をよしよしと撫でた。
私はちょっと拗ねた口調で咎めるように先生を責めた。
「子ども相手に、こんなこと……」
「わがままだなぁ」
顔は見えないけど先生が余裕たっぷりで笑っているのは明らかだった。
「わがままは子どもの特権です」
今夜の私の言い訳は、どれもこれも苦しすぎるものばかり。
「子どもは、もう寝る時間だよ」
うそばっかり……。
今どき小学生だってまだまだ起きてる時間だし。