准教授 高野先生のこと
支離滅裂だけど、それでも気持ちは伝えられた、そんな気がした。
先生はごそごそを腕を伸ばして腕枕して私を抱いてくれた。
「君にはかなわないなぁ」
「何言ってんですか……」
ほんと私なんて、先生の牧場に?放牧されてるようなもんだ。
「かなわないもなにも、先生は私の中ではいつも連戦連勝ですよ」
「僕が勝ってるとしたら、それは君が負けてくれているおかげだ」
「は?」
「だからやっぱり君が偉い」
先生の笑い声はとても晴れやかで楽しげだった。
「詩織ちゃん」
「え?」
「選択肢は3つあります」
「はぁ……」
「明るい、薄暗い、真っ暗」
「じゃ、真っ暗で」
「薄暗い、ね」
「選択権ないじゃないですか……」
「様式美?なんてね」
そんなことを言いながら、先生はくすりと笑って灯りを落とした。