准教授 高野先生のこと

今日が初対面とは思えないほど、田丸先生とは自然に話せた。

もっとはっきり言うと――

ゆるっと和んで、まるでお友達か親戚のお兄ちゃんと話すみたいなノリで。

「疲れちゃったんだよねぇ、ボクも」

「えーっ、田丸先生も?」

「くーだらないあてこすりばっか言われてさ。平気だけど、さすがに飽きちゃった」

くーだらないあてこすり……。

「ボクの奥さん若くて可愛いからさ」

田丸先生のもちっとした大きな手、左の薬指に光る指輪につい目がいく。

「田丸先生の奥様ってどんな感じの人なんですか?」

かなりプライベートな質問なのにつるっと聞けてしまった。

何故だろう?それが許されるような空気があった

「どんな感じ……そうだなぁ……」

「先生みたいに、朗らかな和み系?」

「ボクは、フクヨカなタルみ系」

「もう、またぁ……」

田丸先生も高野先生と同じくらい笑いを取るのが下手だ。


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