准教授 高野先生のこと

図書館情報学の水原先生の研究室を訪ねるべく、廊下の奥へ進んでいく。

水原先生は私が敬愛する先生の一人。

図書館司書課程の科目でお世話になった先生である。

けれども、お世話になったのはそれだけではない。

私はプログラミング演習などの関連科目でもとてもお世話になっていた。

なにしろ先生は情報処理を含むコンピュータ一般にも精通しておられるので。

先生の授業で学んだことは本当に今の私の糧となっている。

研究をする上で欠かせない情報検索の知識はもちろん。

データベースやWeb一般の知識や技術はバイト先でとても役に立っている。

私のバイト先は2年ほど前に開業された今風の新し目のクリニック。

私はそこで受付をメインに医療事務の仕事をしている。

受付以外にも電子カルテや患者様情報の管理、ホームページの更新なども。

システムの業者さんが行うメンテナンス方法などの説明を受けるのも私。

それを他のスタッフさんにフィードバックするのも私の仕事だ。

なにしろ職場では私よりも年上の女性が多くて……。

コンピュータには疎い人がほとんどだから。

その方面に割りと明るい私は重宝がられて頼りにされているのだった。



< 408 / 462 >

この作品をシェア

pagetop