准教授 高野先生のこと

3.

けれども、わたしだって鬼ではありません。

これでいて、けっこう意外と純朴なんです。

あなたが、責務をまっとうさえしていれば、

私は、とってもお利口にしているはずです。

きっと、あなただけを想いつづけます。

あなたを信じ、あなたの心に寄り添います。

いついつだって、私はあなたの味方です。

だからどうかお願いです、これからも、

私をあなたのとなりにいさせてください。

何があっても、何処へも誰にもやらないで、

私のことをずっと守って下さいませんか?

もっと二人で、心を重ねて、体も重ねて…。

ずっと一緒に、時を重ねて、年を重ねて…。

こんなことを望んでしまう自分が怖いけど、

もっと、あなたに溺れてみたくて、

もっと、あなたに囚われたくて、

もっと、あなたのものになりたくて、

これからも、私の心も体もまるごと全部、

ぎゅっと強く抱きしめていて欲しいんです。

甘えてばかりで、わがままばかりで、

いつも子どもで、ごめんなさい。

寛行さん、またまた風の噂なんですが、

私があなたに差し上げる「最初」には、

もれなく「最後」も付いているのかも…。

あなたが私の最初で最後の人で、

私があなたの最後の人になれたらと、

心からそう希っています。

                 あなたの詩織

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