ギア・ドール

「さぁな?・・・でも、爺さんのやることや。あんまり深入りはしたくないな・・・。」


 正直な感想。


「確かにね・・・じゃあ、もしかして・・・。」


 そこで言葉を止める菫。


 何が言いたいかなんて、聞かなくてもわかる。


「仮定の話やろう?だいたい、俺たちが向かうのは、正確には紫卯基地じゃなく、紫卯基地近くの戦場跡やで?そんな良い情報が手に入るもんか?」


 心配そうな菫の声に、思わず声が大きくなってしまった。


 自分たちは探偵ではない。


 残骸や、ギアの散らばり方で、ある程度どれぐらいの戦況だったのかを把握することはできるが、ジン爺さんが喜びそうな情報まで探れるとは、とても思わない。


 もちろん、そこまで興味がないというのも、理由の1つではあるのだが・・・。


「それもそうだ。」


 海人の言葉に少し安心したのか、菫は小さく笑い声を上げと。


「それじゃあ急ぎますか?なんか色々やっているうちに、かなり時間食っちゃったよ。」


 それはマズイ。


 急がなければ、金目のものが全て同業者に奪われてしまう。


「せやな。それじゃあ、いくで!」


 その言葉を合図に、二機は一気にギアをトップスピードまで上げると、その場を後にした


 まだ、血と硝煙の匂いが漂う戦場跡へ向かって・・・・・・・。


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