西の狼
「キャアアアァァァッ!?」
四人が考え込んでいた時、一階から空気を切り裂く様な甲高い悲鳴が上がった。
「!?今のは……イレールか!?」
「行こう!」
四人は急いで部屋を出て一階に向かった。
そこでは、壁際に追い詰められたイレールと…………
「……これは………」
包丁を握った、イレールの母と、血を流して倒れる、主人の姿があった。
母親の握る包丁は、赤く血に濡れていた。
その母親が、イレールに包丁を突き刺そうと構えた。
「!?チッ………!!」
レオンはすぐさま飛び出してイレールと母親との間に入って、母親の包丁を弾き飛ばした。
「レオンさん!?」
「ロジャー!!」
「ハ、ハイッス!」
後ろで怯えるイレールに構わず、レオンはロジャーに叫んだ。
すぐにレオンの意図を察したロジャーは、魔方陣を呼び出してそこから紅い蛇を召喚した。
「行け!!サラマンドラ!!」
「シャアアァァァッ!!」
ロジャーが召喚した紅い蛇は、母親に向かって進むと、あっという間に母親に巻き付いて動けなくしてしまった。
それを見てレオンはアグニを納めた。
「……イレール、一体何があった?」
「そ、それが……いきなり、お母さんが包丁で私を刺そうとして………お父さんが止めたんですけど……お母さんが……お父さんを……ッ!」
イレールはそこまで言って涙ぐんでしまった。
レオンは主人を診ていたレオールを見た。
「………大丈夫だ。すぐに医師に診せれば助かるだろう。」
「そうか。レオール、行ってくれるか?」