西の狼
「な、なんだ……?」
暫くレオンの回りを回っていた光の球はレオンの目の前で弾けて少女の形に成った。
「……ようやく会えた………レオン……」
「君は、一体………」
「私の名は、アルマ……」
「アルマ………?」
レオンの疑問に答えたのは、長老だった。
「アルマ……またの名を、閃光の姫、ブリュンヒルデ。ワルキュリアの始祖とされるお方じゃよ、レオン殿」
「ワルキュリアの、始祖だと……?」
「………そう……私は、何万年という永きに渡ってこの世界を見守って来ました。時には世界を守る戦士となって、時には世界を見守る精霊となって……ですが、今この世界は、かつてない程の危機に晒されています……人間界では、帝国が大規模な戦争を仕掛け、魔界では、叛逆の英雄『エノク』率いる勢力が暗躍しています。彼等は帝国へ働き掛けることで、世界を……崩壊させようと画策しています……それを止められるのは、貴方だけです……レオン…貴方に力を与える為に、私は彼女の体を借りていました………」
「……やっぱり、イレールはワルキュリアだったのか…」
「我々の同胞に伝わる伝承では、『始祖の光』を宿した者は、絶大な力を手に入れることが出来ると言われている。その光というのが、始祖自身のことじゃ」
「………彼女は、目覚めた時には立派な戦士になっていることでしょう……ですが、今はそれより貴方です。レオンさん……左腕を出して下さい」
「?……こうか…?」
レオンが言われた通りに左腕を出すと、アルマは再び光の球に戻ってレオンの左腕を包み込む様に光を放った。
光が収まると、レオンの左腕は黄金の小手に覆われていた。