西の狼
「……まだ、終わって無い……」
「ちょっと、まだ来るっていうの……?」
「おもしれぇ……受けて立とうじゃねぇか……!!」
男は両腰に提げた剣を抜き放った。
それは、紅と黒の刀身を持つ双剣だった。
「ったく、しょうがないわねぇ……!!」
女も拳にはめた手袋を嵌め直した。
その時、再び三人のいる場所に光の矢が降り注いだ。
「ツイン・ヴェノムッ!!」
「壊狼炸裂拳ッ!!」
「………マテリアル・バースト……」
男が放った漆黒の斬撃は無数の斬撃に分裂して光の矢を打ち消していく。
女が放った拳は、一本の狼の様に突き進み空中で何匹もの狼の群になって光の矢を食らった。
アリアンが構えた杖から、白い魔方陣が広がり、そこから白い巨大な矢が放たれ、空中で分裂して光の矢を打ち落としていく。
そうこうしている内に、降り注いだ光の矢は全て消え去った。
「………終わった…か?」
「こっちだ」
「ッ!?」
光の矢の飛んで来た空を見ていた三人はその声に一斉に振り返った。
そこには、いつ来たのか、レオンがフォルカスの寄り掛かる木を背にして立っていた。
「貴様、何故……!?」
「大丈夫か、フォルカス?随分やられたみたいだな……」
「………余計なお世話だ……」
「………そうみたいだな………さて……」
レオンはフォルカスから三人へと顔を向けた。
「……お前達、ハトホルの街の……」
「……覚えてたか、レオン」
「………ハイド……それに、アリアンとヴェルズか……」
「あら、私達のことも覚えててくれたなんて、感激ねぇ……」