西の狼
「…………おいおい、冗談じゃねぇぞ……」
しかしグレンは毒づくハイドなど気にも止めずに話を続ける。
「レオン、君はフォルカスを連れて洞窟に戻れ。ここは俺が引き受ける」
「………何だと……?」
「聞こえなかったか?この場は俺が………」
「そんなことを聞いてるんじゃない。何で急に出て来たアンタに譲らなきゃならないんだ?それに、アンタ長老と一緒のはずだろ?」
レオンのまくし立てる様な質問責めにグレンは少し面倒くさそうに答えた。
「………今は俺に従え。いつかは話すことになるだろうがな…」
「………だから、何でアンタに……」
「………仕方ないな……多少強引だが、この場は退いて貰おうか……!!」
グレンはそう言いながら両手を地面に打ち付けた。
そこから白い魔方陣が広がり、魔方陣から伸びた鎖がレオンとフォルカスを絡め取った。
「な、なんだこれは!?」
レオンは鎖を引き千切ろうとしたが、鎖は予想外の硬さで引き千切ることは出来なかった。
「すまんね、皇子様。君に死なれては困るんだよ……」
グレンは新たに碧の魔方陣を出現させ、魔方陣をレオンとフォルカスに向けた。
「……転送!!」
「グレ……ッ!?」
レオンは何か言おうとしたが、言う前に魔方陣によってフォルカスと一緒に飛ばされた。
「き、消えた……!?」
「違う………あれは……遠隔転送魔法……多分、二人を長老様のところに飛ばした………」
「チッ、邪魔しやがって……」
「まぁ、そう言うな。代わりに俺が相手をしてやるさ……」
グレンはそう言いながら右手に灰色の魔方陣を呼び出して、そこから剣を取り出した。