西の狼
「水麗魔剣、ティアマット……水属性最強最古の魔剣………」
「最強最古って……そんなものどうしろって言うのよ………」
だがグレンは更にもう一つ灰色の魔方陣を左手に呼び出してそこから剣を取り出した。
さっきの剣が、水晶の様な透き通った刀身の剣だったのに対し、今度は薄緑色の幅広の刺々しい意匠の刀身の剣だった。
「征天魔剣、エンリル……風属性最古の魔剣の一振り………」
「どんだけ持ってんだよ……反則だぜ、あんなの……」
「流石は最古の英雄王ってところかしらねぇ……勝てる気がしないわ……」
「………逃げた方が良い……」
「………そうだな………だけどよ、簡単に逃げられるか?」
「………無理よねぇ…」
三人がグレンから逃げる算段をしていたその時、どこからか黒い斬撃がグレンと三人の間に降って来た。
グレンは二、三歩下がって避けていた。
黒い斬撃が巻き上げた砂埃が晴れると、そこには三人の見覚えのある男が立っていた。
「……下がれ、お前達には荷が勝ち過ぎる相手だ……」
「ダリウス……?アンタ、なんでここに…」
「そんなことはどうでも良い……下がれ…」
三人はダリウスのただならない雰囲気を感じ取ると、ゆっくりと背後の森まで下がった。
ダリウスは、ゆっくりと刀を抜いた。
だがその刀は、今まで提げていた刀ではなく、黒い刀身の禍々しい刀だった。
「……黒刀、月夜魅(ツクヨミ)……闇属性最古の魔剣の一振りか……久しいな、それを見るのは……」
「……最古の英雄王、ギルガメス……まさか相まみえる日が来るとはな……伝説に聞きしその魔眼、見せて貰おうか…」