西の狼
「…人の上に立つ資格など、誰も持っていません…神以外は、ですが…」
その声はガリオの更に後ろから聞こえた。
「これは…ディアルド神父…それにシスター・エルザまで…良く来て下さいました。」
女王が言葉をかけると二人は軽く胸に手を当てて会釈した。
神父は、黒い修道着に白髪、その背丈はガラルドよりもやや高い。顔つきも穏やかそのものだ。対してシスターは、こちらも修道着に身を包んでいる。髪は腰まで伸びた深い青色をしている。その眼光は鋭く、その顔つきは精悍な戦士そのものだ。
「…相変わらず、鋭い眼光だな…『告死蝶』よ…」
アイナの一言にシスターは鋭い眼光を遠慮無く注いだ。
「…貴女も、戦役から変わらない様ですね…それに今の私は告死蝶等ではありません。神に使えるシスターなのです。」
「そうだったな…だが、その神の寵愛に包まれた修道着の下に、どれほどの武器を隠しているのか…」
その一言でエルザの限界を超えた様だ。
「……っ!?」
アイナはエルザの殺気を感じてすぐにその場所から離れた。その直後、アイナがいた場所には無数の剣や槍が突き刺さっていた。
「…相変わらずの武器捌きだな…」
アイナは額に冷や汗を浮かべた。
まだ武器を出そうとしているエルザをガラルド達と神父が取り押さえた。エルザは四人に押さえられて身動きが取れない。
「お見苦しいところをお見せしました…」
「いえ…『バトルドール』なのですから、仕方ないでしょう…」
バトルドール…それは戦うためだけに生み出された存在…かつての大臣が作り出した存在であり、その戦闘力はかなりの物だ。しかし動力に大量の魔法鉱石を使い、その触媒に人間が一人必要だったこともあり、製造は禁止され、結果数体の完成品が残るのみとなってしまった。
その声はガリオの更に後ろから聞こえた。
「これは…ディアルド神父…それにシスター・エルザまで…良く来て下さいました。」
女王が言葉をかけると二人は軽く胸に手を当てて会釈した。
神父は、黒い修道着に白髪、その背丈はガラルドよりもやや高い。顔つきも穏やかそのものだ。対してシスターは、こちらも修道着に身を包んでいる。髪は腰まで伸びた深い青色をしている。その眼光は鋭く、その顔つきは精悍な戦士そのものだ。
「…相変わらず、鋭い眼光だな…『告死蝶』よ…」
アイナの一言にシスターは鋭い眼光を遠慮無く注いだ。
「…貴女も、戦役から変わらない様ですね…それに今の私は告死蝶等ではありません。神に使えるシスターなのです。」
「そうだったな…だが、その神の寵愛に包まれた修道着の下に、どれほどの武器を隠しているのか…」
その一言でエルザの限界を超えた様だ。
「……っ!?」
アイナはエルザの殺気を感じてすぐにその場所から離れた。その直後、アイナがいた場所には無数の剣や槍が突き刺さっていた。
「…相変わらずの武器捌きだな…」
アイナは額に冷や汗を浮かべた。
まだ武器を出そうとしているエルザをガラルド達と神父が取り押さえた。エルザは四人に押さえられて身動きが取れない。
「お見苦しいところをお見せしました…」
「いえ…『バトルドール』なのですから、仕方ないでしょう…」
バトルドール…それは戦うためだけに生み出された存在…かつての大臣が作り出した存在であり、その戦闘力はかなりの物だ。しかし動力に大量の魔法鉱石を使い、その触媒に人間が一人必要だったこともあり、製造は禁止され、結果数体の完成品が残るのみとなってしまった。