5年先のラブストーリー-この世のしるし-
しかし恵子さんは愛する工藤さんをこんな事で傷つけたくない、苦しめたくないと、それでも尚、出産を拒みました。
同情を受けた工藤さんにこれ以上の屈辱はなかった事でしょう
その後工藤さんは恵子さんと口を利こうとしませんでした。言葉では何とでも言える。そんな工藤さん自身が恵子さんに対して嘘・偽り・可哀相・憐れんでいない事、同情ではなく愛情である事を行動で示そうとしていたのです。
そしてそれを生まれてくる子供の為に工藤さんは一枚の絵に託していました」
「・・・・・」
「この子だけは何としても二人の元に届けよう。これが医者の私に出来る唯一の使命だと受け止めました」