『遠距離恋愛のしかた』
焦っていた私は、信平のことまで頭が回らなかった。
信平がどんな思いで見つめていたかなんて…考えてなかった。
ただ、莉央がこの場にいなかったことにホッとして、なんでか莉央のことばかり考えていた。
だからなのかな…
駅に向かって歩いている私達とは逆に、駅からこちらに向かって歩いている莉央と……
はち合わせてしまった。
一番避けたかった予想外な展開…
でも…
慌てる私を余所に…
莉央は私の存在に気づいていないかのように、私の横を通り過ぎていった。
なんで……?
ものすごく、胸がドキンドキンして…
ズキズキして…
歩けなくなった。
立ち止まる私の腰を、長谷川さんはそっと押して、歩くように促した。
胸が痛いのに…
私は歩くしかできなかった。