先生愛!~もう1つの片思い~
意地悪な問いかけをする。
今日こそは外すまい、と心に決めていた鉄の仮面がまた外れ、外れた隙間から俺の意地悪い笑みがこぼれる。
彼女といると俺、狂う。
局所麻酔してから縫いますよ、とちゃんと後から弁解した。
少しずつ、丁寧に縫う。
彼女が大きくなった時、傷が残らないようにするために。
綺麗に縫っていった。
局所麻酔をした時から…いや、正確には、縫うと知らされてから彼女は顔が引きつっている。
相当怖いのだろう。
意識あるうちに自分の体の一部が縫われるのだから。
「終わりましたよ。」
そう言った瞬間、魔法がとけたかのように、彼女の強張った表情が一気に消え去った。