先生愛!~もう1つの片思い~
ゴム手袋を外し、もう1度丁寧に消毒する。
そして一言。
「そういや、医者は就職に困りませんよ。」
彼女のキョトン顔。
はい、百面相シリーズ、追加。
横にいる看護師までもが、唖然としている。
まあ、いきなり訳の分からない事を言うんだもんな…俺。
昔、彼女と話していた事をふと、思い出した。
就職難。
以前そんな話をした。
純粋に、
医者は困らないよ、というアドバイスで言ったが、少しは
俺と同じ職業についてほしい
って期待も含んでいた。
私情を挟んでしまう。
でも、彼女も同じ職業について、同じ職種に携わっていると思うと、俺も頑張れそうな気がしたし、
どこかでずーっと、つながっていられそうだったから。
俺はつい、口走っていた。