みかん白書~描きかけの私の描きかけの恋~
「分かった……このブラ、ウチがもらうことにするわぁ……」
「あ、ありがとう……よっちゃんがもらってくれたら一葉だって喜ぶと思うとよ」
「そうかて……」
「え?」
「そうかて、一葉、ボーイッシュなクセに、おっぱい大っきかたんやね」
「え……? そ、そうなんか?」
ちょっと返事に困ってるみたいな彼。
「いまウチがこのブラつけても、たぶんカパカパやわぁ。あと何年かして、ウチのおっぱいがもうちーと大きくなったら付けさせてもらうさかい、それまで大事に保管させてもらうよって、それでええ?」
「も、もちろん、いいとっ……ぜ、全然問題なかよっ……」
さっきまで幽霊みたいに真っ青だった彼の顔が赤くならはった。
女の子の胸のハナシを聞いて、顔を赤らめるんは思春期の男の子なら、よくあることなんかもしれへんけど、幽霊みたいに精気のなかった彼の顔が、ほんのり赤く色付いたことが、ウチには彼の生きてはる証拠をちゃんと確認することができたみたいで、なんやしらん妙に嬉しい気がした。