契約の恋愛
雪葉はうーんと首を傾げながら三本目のパンに突入。
「璃雨を一目惚れさせる位だから、ヤバイんだろうねぇ紀琉さん。」

「うん!ヤバイよ。」

…多分絶句するよ。

「なんかそこまで言われると、早く会いたくなっちゃった。今週中にしよう!!グループデート!!!」

……!!!!!

雪葉の表情が満面の笑みに変わり、恐ろしい速度で私を巻き込む。

おかげで断る気力もない。
…墓穴ってやつ?

ちょっと紀琉ほめすぎちゃった?

「今から翔にメールしてみようっと。空いてるかな~土曜。」

そして見事な程に璃雨の話を聞かず、速攻行動に移す雪葉に、苛立ちをとおりこして感動すら覚える。

…璃雨って、なんでこう流されやすいのかな。

悲しくなってくる。

別にグループデートに行きたくないわけじゃない。

ただ単に、紀琉を見せることに敏感になっているだけ。
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