契約の恋愛
そしてそれを無意味なものにするか、意味のあるものにするかは自分次第。

"あの人"は体を張って、璃雨に教えてくれたんだ。

意味の"意味"を。


「……。」

璃雨は家のソファーにあぐらをかいて座り、手をあごにやり考えこんでいた。

完全におっさん化している自分にも悲しくなってくるが、今はそれどころじゃない。

亮也の家の前で見た、変わり果てた二人の姿。

それが目に焼き付いて離れない。

…どうしたものか…。

陸飛までぼこぼこだったし、今までと雰囲気がまるで違ってた。

普通の不良男ではない、恐ろしいものが亮也の心の奥に潜んでいる。

そう感じた。

この数日、一体あの二人は何をやっていたの。

テーブルの上に無造作に置いていたケータイを見る。
かけてもどうせ出ないだろうけど…。
< 128 / 236 >

この作品をシェア

pagetop