契約の恋愛
感情のコントロールが出来ないと改めて聞いても、亮也に哀れみの気持ちは見て見ぬフリをした。

自分が苦しいから他人を傷つけるというのは、ただの逃げだと言うことは陸飛も璃雨も充分知ってる。

それでも、止められない亮也の孤独を少しでも和げる為には、亮也のしたいようにやらせる。

そう考えたからだ。

友達の悪事を見て見ぬフリをする立場の陸飛は、苦しかったに違いない。

そして今も。

「…でも…。」

璃雨は一度そこで話を止めて、軽く深呼吸をした。

過ちが、罪となって璃雨にのしかかろうとしている。
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